導入企業インタビュー Vol.01
- 業種:
- コンピューター、コンピューター周辺機器、ソフトウェア製品の開発・製造・輸入・販売・リース、ITサービス
- 従業員数:
- 約60,000人
成果が目に見えるので
英語学習のモチベーションアップに繋がっています
部門内英語研修運営ご担当 國友 陽子様
2007年に日本ヒューレット・パッカード(HPE)にエンジニアとして入社。現在は所属部門における様々なオペレーション業務を担当し、その業務の一環として受講者向けの英語研修の運営を担当。
1.施策と課題
―グローバル人材育成のための英語力習得という面において、これまで行ってきた施策はどのようなものでしたか?
全社的な施策として、TOEICを集団で受験できるTOEIC IPテストの実施がありました。その他、各部門ごとに、スキルアップしたいというモチベーションの高い個人や、業務上お客様とのやり取りで英語が必要な部署には、会社の提供する研修機会を利用いただくなどの施策を打っていました。
―そういった施策の中で、所属されている部門ではどのような課題がありましたか?
全社として英語をスキルアップしていこうという機運が高まっていました。それを受け、所属部門として現在の組織に合ったもの、特にアウトプットを主軸にしたトレーニングを求めている状況でした。
―アウトプットを主軸にしたトレーニングを求めていたということですが、アウトプットを強化ポイントにした背景を教えてください。
従来の英語教育は単語や文法を覚えるといった「読み・書き」の向上に重点を置いているものが多い印象です。しかし実際の業務では「読み・書き」に加え、「話す・聞く」といったコミュニケーションレベルでの実践的な英語力が必要な場面があります。それに対応できるスキルを身に付けるために、特に実用面でなかなか強化が難しいと思われるスピーキングを向上できるトレーニングを求めていました。
2.選考プロセス
―選考のプロセスにおいて、英語研修に求めるポイントと、選定時に重要視したことを教えてください。
受講者が多忙であることが前提としてあります。受講者は、弊社オフィスだけではなくお客様先など様々な場所で作業する必要があるので、学習時間の確保が課題となります。そのため、まずは「限られた時間で効果的に学習できる研修」であることが重要と考えていました。
学習時間確保という観点では、自分の都合に合わせて学習ができること、そして、取り組みやすさという観点では、予約して教室へ行ってレッスンして帰宅して・・・といった何ステップも踏まずに、すぐに学習に取り組めるといった学習にアクセスのしやすいこと、加えて、課題としていたコミュニケーションで必要なスピーキングやリスニングのスキルアップが出来る教材というのも選定のポイントでした。
―様々な研修が存在するなか、VRを使った英会話研修という新しい形の研修を採用した理由はありますか?
VRという新しい技術・機器を使ったトレーニング方法自体に興味を持って取り組んでもらえるのでは、という期待がありました。
また、VRで仮想人物と話すのも緊張はするのですが、それでもいきなり外国人の先生と話さなければならない状況よりは心理的なハードルが下がります。間違ってしまっても誰かに聞かれたり、話せなくて恥ずかしいと感じたりすることもないので、学習に取り組みやすくなるのではと考えました。
―他社サービスと比較して差別化ポイントがあれば教えてください。
VRだと、シーン別のシュミレーションを通して、コミュニケーションの要となるスピーキングを自習で強化できます。VRヘッドセットをかぶったら会議室にいたり、食事の席にいたり、実際に起こりうるビジネスシーンに参加しているような没入感もVRならではの非常に良いポイントです。
通学の制約もないので、急な空き時間に取り組める等、自分のペースや都合に合わせて取り組めるところもポイントかと思っています。
プログラムの観点からも、VRのトレーニングだけではなく、日本人コンサルタントとの月次のセッションや、ネイティブスピーカーの方とのスピーキングの機会といった周辺のサポートも非常に充実しているところも差別化のポイントでした。
定期的な日本人コンサルタントの方とのセッションがあると、「あ、やらなきゃ」という気持ちになりモチベーションの維持に役立ちます。ペースが一度乱れてしまうと、もう一度奮起するには腰が重くなり大変なので良いペースメーカーにもなっていて、それは非常に良かった点だと思います。
―研修受講者さまや、期間はどのように決定しましたか?
受講者についてはご本人の希望とマネージャーからの推薦で決定しています。
期間に関しては、本格導入の前に6か月間パイロット導入したうえで1タームを6か月と設定し、長期的に取り組みたい受講者については6か月ごとに継続頂く形で取り組んで頂いています。
―英語研修を運営する側として、サービスの継続利用に際して重要だと考えているポイントがあれば教えてください。
受講者の方が取り組みやすく、学習を継続しやすいことが一番です。また、満足度が高く、効果を感じられているという点も重要です。
運営側としては、御社の手厚いサポートもサービス利用継続において重要なポイントだと思っています。導入してから現在に至るまで、2週間に1回の定期ミーティング実施や、プログラム実施状況のレポートを頂いていて、受講者へのフォローアップ等に役立てています。
3.成果・効果
―実際にVR英会話を導入してみて率直にいかがでしたか?感想をお聞かせください。
会話のスピード感やコミュニケーションの感覚は、VRの没入感ならではだと思っています。
実際に外国人の方と話しているとスピードについていけず、「字幕が欲しい・・・」「言いたいことが出てこない・・・」という場面に直面したことが多々ありますが、VR内では会話の場面に字幕が出て回答例が表示されます。
実際の場面に近い状況が作られているVR空間で想定問答を何度も繰り返してシミュレーションすることで、徐々に英語の型が自分の中で定着してきて、型が固まってくれば実際の場面で応用が出来ていくと思っているので、そこがVRの良いところだと思っています。
あとは、VRヘッドセットをかぶったらスマホなどは見れないので、トレーニングに集中出来る環境になるというのも良い点だと思っています。
―実際の成果はいかがでしたでしょうか。
効果測定としてISTというスピーキングテストもプログラムの一環としてご提案いただき受講者に提供しています。ISTに関してはプログラムの最初・中間・最後と3回行っていますが、これまでの成果を見てみるとプログラム開始時と比べてスコアアップしてる方が非常に多い状況です。
成果が目に見えているのは非常に良い点だと思っています。
また、「これをきっかけに学習の習慣がついた」や「やらなきゃいけないというモチベーションアップに繋がった」という声もいただいており、スコアアップ以外のところでも良い影響が出ていると感じますね。
―研修受講者様からの反響はその他具体的にどのようなものがありましたか?
毎期プログラム修了時に受講者ごとにアンケートをとっているのですが、その中で「満足度が高かった」という回答が毎期多く出ていて、それがプログラムを継続している非常に大きな理由になっています。
中身を見てみると、具体的には「自分のペース、レベルに応じた学習ができる」、「スピーキングの練習環境として非常に良かった」といった回答を頂いています。
その他にも、「スピーキングだけでなくリスニングが向上した実感あった」といった声や、「習慣化することができた」など何かしら皆さんの英語学習に良い効果が出ていると感じています。
―英会話習得は、基本的には対人で行うものという従来からの考えがありますが、今回は新たな習得方法としてテクノロジーを活用した研修を導入いただきました。英語学習にどういう影響があったでしょうか?
まさに今おっしゃったように、これまでスピーキングのトレーニングというと、生身の人間を相手に言葉のやり取りをするという形式が一般的だったと思います。
一方、VRの非常に良い点は仮想空間を使うことでスピーキングのスキルを自習で向上できるところだと思っています。
実践の場に出る準備として、会話に必要な型を身に付けたりコミュニケーションのバリエーションを覚えられるという観点では、非常に良い影響があると思います。
4.研修評価と今後への期待
―最後の質問ですが、スマート・チューターの総評と今後への期待をお願いいたします。
プラスワンさんは、弊社からの機能追加やトレーニングのリクエストについても、非常に前向きにご対応頂いています。また、適切なコース選定やVRのデバイス配送手配など何から何までお任せできて非常に助かっています。
直近弊社から出させていただいたリクエストとして、受講者の外出機会が増えてきていて、在宅時間が少なくなることで必然的に学習時間が減ってしまい「学習時間の確保が苦しい」という声が出ていたことを伝えました。そんな時にモバイル版のスマート・チュータ―がリリースされました。スマートフォンを使って移動時間などの隙間時間で気軽に学習できるので、受講者も隙間時間を活用する気持ちになります。そして家に帰ってVRヘッドセットで声に出して実際にもう一回やってみようという、モバイルとVRのハイブリッド活用で良い循環になっていくといいなと思っています。
顧客の声からどんどん改善させていくという点に今後も非常に期待していますし、スマートチューターを通じてこれからも弊部受講者の英語学習サポートにご協力頂きたいと考えております!